アリキタリの事件簿

2

グロテスクな描写のオンパレード。

人間が追い詰められると、これほどの多様な言葉で世界を描写できるのだ。

満。お前、ホラー作家になれ。

生きていたなら、そう言葉を掛けたくなるほどに恐ろしい文だった。

なにせ、手記なのだ。パソコンで打ち出された文字と違い、その生々しさは尋常ではない。妹の歪んだ文字と、脂汗を吸って、そのまま乾いたようなボコボコの紙。数ページ前までは几帳面で端正な文字が羅列していただけに、その恐怖がありありと分かる。

妹を犯人と断じた警察は、妹が変態的趣向のもと書き連ねた、いわば戦果の主張としてこの手記を参考程度に留めている。

だが肉親である私には、この文章を恐怖以外の感情で書くのは不可能ではないかと思える。

年相応に真面目で、考えていることがすぐに顔に出てくるほど素直なアイツには、感情を曲げて表現できるとは思えない。これ以上ないくらい感情表現が上手いやつなんだ。

事後の精神鑑定として提出された小中高十二年間にも渡る、読書感想文の数々を見ればそんなことがすぐに分かるだろうに。

だからこの先に書かれた月による、赤い少女の殺害記述は事実なのだろう。

夜明けも近い。

もうそろそろ終息してしまう、悲劇的事件の結末までもう二十ページもない。

さあ、読もう。

 

製作

総合アミューズメント企画サークル
  La Bomba