アリキタリの事件簿・解

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シャベルの歴史は意外に古い。

日本では古来より「円匙」という名で厳然と存在していて、鋤や鍬と同様に、農業や土木に使われた。

では、その「シャベル」が「剣」だということは知っているかな?

———ああ、いやいや。
この質問は意地が悪かったな。
「シャベル=shovel」の和訳は「円匙」の他に、「踏鍬」というものがある。逆に「踏鍬」を英訳すると「spade」……スペードになる。

そう、あのスペードだ。

トランプの札に描かれているアレのことだ。

元々は黒色の心臓を引っくり返して、「死」を意味する「剣」の寓意だったんだが、よくよくその形に注目してほしい。

柄こそ短くなっているが、形はシャベルそのものだろう?

表向きは物を「作る」ための土木用品だが、シャベルは物を「壊す」のに実に向いた構造をしている。

特に「人間を破壊する」のに特化している。

鉄で構成されたその重さは、人を殴り殺すのに向いているし、先端のとがったフォルムは人を突き穿つのに適している。

名実ともに「シャベル」は「剣」足りえるってわけさ。その上、死体さえも埋めることが出来る。全くこれほどなまでに凶器に向いたものは滅多にないだろう。

勿論、バットだって、鉈だって、包丁だって凶器にはなる。

しかし、この事件ではシャベルのことさえ論じればいい。この事件で見るべきはこの「剣」だけだ。バットも鉈も、包丁も不要だ。

さて、時系列に沿って、物語を見ていくことにしようか。

そうだな、話の発端は一年前の事件の更に一年前。

二〇〇四年の十一月十日まで遡る。

 

製作

総合アミューズメント企画サークル
  La Bomba